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ザ・クロス:イエスはなぜ十字架を選んだのか

更新日:1月3日


良書紹介#16 執筆担当:近藤結(九州地区GA)



【マックス・ルケード著 佐藤知津子訳 『ザ・クロス:イエスはなぜ十字架を選んだのか』いのちのことば社、2003年】


小学生の時、人生で初めて読んだ「信仰書」。私の心を捉えて1番のお気に入りの本になり、何度も読み返し、引越しの際には必ず持ってきて、今も私の手元にある大切な本です。


本の内容を一言でまとめるとしたら、タイトルそのまま「十字架」。イエス様の十字架のシーンを、順を追うようにして、丁寧に読み進めていくスタイルです。まるで、隣でおしゃべりをしているかのような語り口は、読みやすく、優しく、イエス様が私に話しかけてくれているような気持ちになります。思わず笑ってしまうような日常の一コマから始まるそれぞれの章は、気づいたらイエス様の十字架の物語にとっぷり浸っているのです。

釘打たれた手、罪状書、酸いぶどう酒、亜麻布… それは、十字架の物語を飾ってくれるような装飾品ではなく、「あなたのためにそうしたのだよ」と一つひとつがリアルに、自分の現実に重みを持ち始めます。


本を読み終わった後、目を瞑ると、まるで今自分があの十字架の丘にいるような気持ちになります。暗く翳った空。民衆のざわめき。兵士たちの嘲りの声。湿った土の匂い。目を上げた時、そこにおられるイエス様はどんな表情をされている?息づかいは?傷口は癒えておらず、腫れ上がって、血が流れ続けているでしょうか。


聖書の文字を追うことに一生懸命だった小学生が、イエス様の十字架をリアルに体験し、何度も聞いていた十字架の物語を自分ごととして受け取った経験でした。

そこから十数年経った今でも、この本を読む時、またより深く、神様の愛に沈み込むような思いを抱きます。



「キリストが残したものに思いをめぐらす人は多いが、僕たちが何を残すべきかに思いをめぐらす人は少ない」


イエス様が十字架で私たちに一つひとつ残してくれた贈りものに心を留める時、むしろ私たちは何を十字架のもとに置き、何を残すべきなのかを、神様の前で静まり、考えることを促してくれます。そして、その壮大な十字架から自分の日常へと、そっと送り返してくれるのです。神様の愛のギフトをたくさん携えながら。


人生のどんなタイミングで読んでも、その時にふさわしく、イエス様に目を上げることのできる一冊です。

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