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エクササイズⅠ・Ⅱ・Ⅲ

  • 執筆者の写真: KGK公式ブログ
    KGK公式ブログ
  • 9月25日
  • 読了時間: 3分
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良書紹介#114 執筆担当:朴里沙(事務宣教局担当主事)


本書は、自分で理解している「物語」(神理解、信仰理解、自己理解、人生理解)は、本当に聖書が語るものなのかどうかを見つめ直していくための1-3巻からなるシリーズものです。わたしたちの中に巣食う「嘘の物語」を確認し、イエスが語る「物語」はなんと言っているかを丁寧にみことばから読み解き、嘘の物語からの脱却と、新しい生き方を励まします。各章に設定されているエクササイズを実践することでイエスの語る「物語」を日常の中で味わい、生き方に落とし込み、実践的な霊的成長をチャレンジしていく内容になっています。


「霊性の健康は肉体の健康から」というフレーズで始まる1巻1章の”エクササイズ”は「8時間寝る」こと。現代人の睡眠時間の短さに警鐘を鳴らし、1日の1/3、8時間を睡眠に当てるように(8時間睡眠は人が起床時に効率的に活動できる睡眠時間とされている。)と神さまが人を創造されたことを、実践を通して味わいます。夜になると浮かんでくる心配事や考え事、やるべきこと(や、スマホ)を手放して睡眠時間の確保を優先することは、最初は慣れません。ただ、「眠ることとは「まどろまない神」に信頼することだ。」と語る著者に励まされながら、ぐるぐると抜けられない思考を、心配しても変わらない状況を、無益なネットサーフィンの時間を委ねて眠ることを続ける先に、身体と頭がすっきりとした朝を迎えられるようになっていくのです。夜に考え事をしたり夜更かしをするよりも、朝早くに起きて考えた方が建設的で前向きな思考になり1日が有意義に過ごせるとは、一般的にも言われていることでしょう。その一般論(そして紛れもない事実)は、そもそも神様が人の身体を「夜は寝るように」と創造されているのだから当たり前か、と思い至るも、その一般論が「理想的な生活」として輝くくらいには、創造された人らしい生活からほど遠い、自分の乱れた生活が現実にあることを直視せざるを得なくなります。そして、気を抜くとすぐに睡眠時間を削ってしまうような生活になってしまう自分を見て、神様が人に願う健康的な生活をするために、どれほど努力が必要かを痛感するのです。


本シリーズを読み終えるとき、自分のこれまでの人生の生き方に対するさまざまな嘘の物語に気が付かされます。そして、新しい生き方に挑戦するも、自分自身がこれまで積み重ねてきた習慣や嘘の物語による思考がどれほど根深く、根強く脳にしみ込んでいるのかを知ることになります。主を信じ新しく生まれ変わったわたしたちに必要なのは、生活の中で主の愛を味わい続けること。そして、一度知れば十分なのではなく、実践へと常に招かれ、生き方を具体的に変えていくことを本書から励まされます。


常に新しさを、便利さを、早さを求める今を生きるわたしたちにとっては、本書で励まされるエクササイズは一見後退に、そして不安に映るかもしれません。例えば、エクササイズのひとつである生活のペースを落とすことや、日常に空白を設けることは、周りでせわしなく過ごす人たちに遅れをとっているかのように感じるからです。また、誰も見ていない場所で善を行う事は、一見何の得にもなりません。ただ、その作った隙間の時間に、自分と神様しか知らないその影日向の出来事の中にささやくような主の声が聞こえてくることを教えてくれるのです。「必要なことは、ただ一つだけである。」と語られるイエス様の膝元に招いてくれるシリーズです。

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