ブックレット紹介#11 執筆担当:大塚信(関東地区担当主事)
あなたは最近、十分に静まることができているでしょうか。これを書いている私自身が、正直YESとは言いづらい状況です。
私たちの生活は歳を重ねるにつれて、どんどん忙しくなっていきます。主事会で話していると、10年、20年前の学生よりも、現代の学生は忙しいという話も聞きます。忙しい学生たちは、社会に出て仕事をし、また家庭を持つならば、その忙しさはこの先何十年も増し加わっていくことでしょう。
イエス様もまた、ご自分を必要とする沢山の人が周りにいて忙しかったはずです。それでもなお、イエス様はひとりになり、静まる時間を取られていたと、聖書に何度も書かれています。イエス様が静まっていたことを書く必要はなかったかもしれないのに、聖書の著者はあえてそのことを記しています。そこにある意図は何でしょうか。
「私たちー人一人がクリスチャンとして召し出されたのも『主と共にいるため』であるのに、それに対して、私たちの現実は 「主と共にいること」が何と少ないことでしょうか。どれだけ『主と共にいること』に優先順位をおき、それを大切にしているでしょうか。」(P2)
このブックレットは、忙しさの中で生きるあなたのために書かれています。とりわけ、マルコの福音書から「静まって、主と共にいること」の重要性を語っています。
「『主と共にいる』とは、どういうことでしょうか。それは忙しい生活の中にあっても、 一人静かなところに退いて父なる神との交わりを絶やさなかったイエス様のお姿から、 『一人静かなところに退いて、祈りの内に主と交わる生活』ということができるでしょう。また、ルカ10章38~4節にでてくる、主の足元に座って、御言葉に聞き入っていたマリヤのように、『静まって御言葉を思い巡らして、そこから主の語りかけを聞く生活』とも言えるでしょう。」(P2)
上記にある通り、本ブックレット内では、」「主と共にいる」ということを2つに分けて紹介しています。
一人静かなところに退いて、神と交わる生活
静まって御言葉を思い巡らして、そこから主の語りかけを聞く生活
このブックレットは静まりのがなぜ私たちにとって大切かを説くだけではなく、その後どのようにしたら良いのかという実際的なアドバイスも手順を追って書かれています。もし静思のときをどうやったらいいのかわからないという人は、初めはそのインストラクションに従ってみるのも良いでしょう。
私たちクリスチャンは、究極的には主日礼拝や静思のときだけ主の前に出るのではなく、生活そのものが主と共に生きることへと変えられていくことを目指しています。やりたいこと、やったほうがいいこと、やらなければならないことが沢山ありますが、まずはそのひとつひとつを祈りと御言葉によって判別し、生活全体を自己管理することが重要である、とこのブックレットは勧めます。
新たな年度を迎えるこの季節、静思のときについて今いちど考えてみてはいかがでしょうか。そこで主と出会い、主に建て上げられていく、主との愛の交わりがあるはずです。