証#83 執筆担当:中村美月(東海地区GA)
今年の東海地区の夏期学校では、3日目の夜に「キャンドルナイト」というプログラムがありました。この時間は、全員で円になって座り、挙手制で夏期学校の感想や祈ってほしいことを分かち合って、その人のために代表の人がお祈りします。その時間では、学生たちから、個人的に抱えている悩みや、人数が多いブロックとの比較で葛藤したこと、一人での学内活動に重荷を持てないことなどが正直に分かち合われました。
東海地区では一人で学内活動をしている学生も多く、また愛知県以外の三重・岐阜・静岡ブロックでは、KGKに関わっている学生は少ない現状にあります。遣わされた場所でキリスト者が自分一人ならば、孤独な闘いに思えてしまうかもしれません。実際には一人ではなかったとしても、そこにはそれぞれに向き合わなければならない課題があります。その場所に帰っていくのは怖いです。しかし、仲間から分かち合われた苦しみを聞いて、ともに泣き、ともに祈る学生たちの姿を見て、そのためにKGKがあるのだと思わされました。神様が神様の国を広げるために、私たち一人ひとりを広く散らされているからこそ、そこでみことばに生きることを励まし合う交わりもまた必要です。「一人だけど、一人じゃない」と、神様が与えてくださった交わりは、私たちを勇気づけてくれる大きな恵みだと思いました。
夏期学校の最終日の派遣礼拝では、飯沼主事を通して、今回のテーマでもある「おかえり」という言葉の三つの意味が語られました。一つ目は、私たちに「おかえり」と言ってくださる神様のもとに帰ること。二つ目は、「あなたの家にお帰りなさい」と、神様から遣わされること。三つ目は、「おかえり」と、今度は私たちが神様のもとへ人々を招くことです。
一人でも多くの人が神様に帰ることができるように。そうであるならば、私たちは散らされましょう。KGKが、それぞれが遣わされた教会、学校、職場、家庭へと、励まされて帰ることができる交わりであり続けることを、祈り願います。
悪霊が去ったその人は、お供をしたいとしきりに願った。しかし、イエスはこう言って彼を帰された。「あなたの家に帰って、神があなたにしてくださったことをすべて、話して聞かせなさい。」それで彼は立ち去って、イエスが自分にしてくださったことをすべて、町中に言い広めた。(ルカの福音書8章38節-39節・新改訳2017)