コラム#11 執筆担当:小林祐(留学生宣教 責任主事)
聖書には、「留学生」は登場しませんが、「海外に移住する」という例は多く見られます。例えば、アブラハムは75年間住んだ故郷ハランを離れ、約束の地カナンへと向かいました。新しい地で、神様への信頼が養われ、信仰によって子供が生まれ、神様のご計画が前進しました。またナオミとルツは、それぞれ海外移住を経験しました。ベツレヘムからモアブに移り住んだナオミはそこでルツと出会い、今度は、ルツがナオミの故郷であるベツレヘムに移住します。そして、そこにも信仰の応答があり、神様のご計画が前進しました。
神様は、「新しい地」へ行くことを通して、ご自身の働きを大きく前進させることがあります。日本からの留学と同様、海外から日本への留学も、留学生にとっては 大きなチャレンジです。故郷を離れ、異なる文化と言語の中で、一からの生活を送り、人間関係を築かなければならないからです。ところが、そのようなチャレンジの中で、神様は豊かに働いてくださいます。留学中に救われ、信仰者として大きく成長し、神様の宣教の業が前進することがあるのです。
留学生宣教は、あまりその重要性が理解されづらいかも知れません。しかし、神様は旧約時代から変わらず、そのような「新しい地に行くこと」を通して、何か新しいことをなさいます。そこには新しく、より深い自己との出会い、他者との出会い、神様ご自身との出会いがあるからです。
ある意味では、クリスチャンは皆、在留異国人であると言えます。なぜなら、私たちの国籍は天にあり、この地では寄留者だからです(ピリピ人への手紙 3:20、ヘブル人への手紙 11章13節)。私たちの母国である神の国を目指しながら、今、与えられている歩みの中で出会う人々を、その国籍に関係なく、神の国に招く働きをKGKがこれからも担っていけたらと願っています。
いつも尊いご支援を心より感謝致します。