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私を祝福してくださらなければ−荒削りの信仰者ヤコブの信仰

更新日:2023年3月13日


良書紹介#11 執筆担当:佐々木実穂(北海道地区GA)


【遠藤嘉信著『私を祝福してくださらなければ−荒削りの信仰者ヤコブの信仰』いのちのことば社、2006年】


皆さんはヤコブという人物に対してどんなイメージを持っていますか?

ヤコブは創世記後半に登場します。インパクト強めのストーリーがいくつもあり、聖書の中で度々「アブラハム、イサク、ヤコブ」と並列されているので、知名度が高い人物だと思います。私の中のヤコブのイメージは、魅力的な人物ではなく、特に憧れもしない存在でした。長子の権利を横取り、逃亡、おじに騙され二人の妻を迎える、おじを欺いて出て行く、神と格闘する、もものつがいを外される、十二人の子どもたちを不平等に扱う。もし聖書の人物の誰かになれるとしてもヤコブは選ばないなと思っていました。

しかし、この「私を祝福してくださらなければ」を読んで、ヤコブに対する印象がガラッと変わりました。本書では著者である遠藤嘉信先生が、ヤコブの生涯を16章に分けて講解しています。ヤコブはたしかに貪欲で、姑息で、醜い部分がはっきりと描かれている人物です。しかし、彼の人生において神の取り扱いがあることを、本書を通して見ることができます。ヤコブの醜さは人間の性質そのものを表し、自分の中にも同じ醜さや罪が見えてきます。けれど、ヤコブに対して神が現れてくださり、ヤコブが変化し、成長し、成熟へと向かっていく様子は、私自身にとっても慰めとなり、励ましとなりました。

“「荒削りの信仰者」は、全能の神のよく研ぎ澄まされた彫刻刀によって、その形を次第に整えられていくのである。(あとがきより)”

ヤコブは荒削りであったのが、神によって整えられていったように、荒削りの私たちにも、同じ神が働き、人生で起こる様々なことを通して成熟へと向かわせてくださいます。また、神の計画は荒削りのままでよしとするわけではなく、研ぎ澄まされていくことが必要であることも本書からチャレンジされることの一つです。

信仰生活が停滞していると感じる方、神と向き合いたいと願いが与えられている方、単純にヤコブに興味がある方など、皆さんにおすすめです。

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