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私たちは勇気を失いません-病と闘う青年に宛てた41通の手紙-


良書紹介#13 執筆担当:杉山琴映(事務宣教局主事)



【内田和彦著 『私たちは勇気を失いません-病と闘う青年に宛てた41通の手紙-』いのちのことば社、2021年】


高校生の頃、ある神学校に通うお姉さんが「私が神学校に進んだのは、友達にイエス様のことを伝えたいけどどうやって伝えたらいいかわからなくて、勉強してみようと思ったからなの。」と教えてくれたことがありました。今でも、強く印象に残っています。当時の私にとって伝道の方法は、集会に誘うこと、クリスチャンであることを明かして教会でのエピソードをさりげなく話すこと… “自分で語れる福音の言葉をもつ”という発想がなかったのです。もちろん「あの子にイエス様を知ってほしい」という思いそのものを神様は祝福してくださるに違いないのですが、特に友達が悩んでいる時や励ましを必要としている時、私も自分の言葉で神様のことを伝えられたらいいのになあと、思ったものです。


さて、今回紹介するのは、まさに「身近なひとに福音を伝える」という場面を、まるで一緒に過ごすかのように辿っていくことのできる本です。30代半ばにしてがんの宣告を受けたひとりの青年に向けて、彼のご両親が通う教会の牧師先生が毎週手紙を送りました。その数、41通。「神を信じない」と言った青年は、やがてイエス様を信じ、洗礼を受け、天の御国の希望をしっかり抱くまでに変えられていきます。

“この世界を見つめるときに認めざるを得ない神の存在”を証することから始まる一連の手紙は、偉大な神様が私に目を留めてくださっていること、イエス様が十字架で私たちの身代わりになってくださったことの説明を続けていきます。また、星野富弘さんやC.Sルイスを始め様々な文学作品の例を用いながら、信じるという生き方についても示されます。次第に青年から「神がいるなら、どうして」という問いが生まれ、この問いに一緒に取り組む時期を経て、最後には、闘病生活がいよいよ厳しい局面を迎えた彼への励ましのみことばと、天の故郷にある希望や平安が、大胆に届けられていくのです。


神様が人に、福音を伝える力を、言葉を、与えてくださるのだ、ということを目の当たりにする読書体験でした。読んでくれる青年を信頼し、また神様から来る大胆な言葉に信頼して綴られる手紙。一通一通のあたたかな温度感に、気づけば私自身がこの手紙(そして福音)の受け取り手となって読み進めました。病や痛みと闘うならば、誰しもがいのちと死に正面から向き合わざるを得ない日々を過ごすのではないかと思います。そんな時、傍らに立って共にいのちを見つめ、御国の希望を指し示してくれる存在がいてくれたなら、どんなに心強いことでしょうか。病を抱えるひとりの青年にあてて書かれた手紙でありながら、この本の読者一人ひとりのなかにある病んだ部分をも不思議に照らし、いのちの希望へと引き上げてくれるメッセージが詰まっています。


誰かに福音を伝えることはもちろん、信じて生きること、与えられたいのちを見つめること…様々なテーマを思い巡らすことのできる一冊です。一通ごとに時間をあけてじっくり読むもよし、気になるところから読むもよし。手紙という文体がとても読みやすいので、読書の苦手な方にもおすすめです。






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