ブックレット紹介#9 執筆担当:富田詩織(関東地区担当主事)
大学三年生の時に、韓国で開催されたEARC(IFES東アジア地区大会2017)に参加しました。その時に課題図書として出されたブックレットの一つがこの「神の都を目指して生きる」でした。私としては「クリスチャンの大会で、韓国も行けて楽しそう~」というライトな気持ちで参加を決めたEARCでしたが、このブックレットを読み始めてかなり衝撃を受けたのを覚えています。
このブックレットでは、日本という国が、また日本の教会が戦時中に犯した罪について記されています。当時の教会が、政府の圧力に屈して天皇崇拝を許容した事、また自分たちが天皇崇拝を行うだけでなく、韓国を始めとする東アジアの教会にも同じように行うことを勧めました。KGKがこれらの罪をどのように扱ってきたのか、その中での失敗や、失敗から得た学びについて記録されています。私はこれを読んで、自分が当事者ではない過去の罪についてどのように向き合ったら良いのかを深く考えさせられました。普段だったら「難しそう…」と避けてしまいたくなるような内容ですが、いざEARCで東アジアの兄弟姉妹と直接出会うとなると、しっかりと考え抜いてからじゃないと参加できないと思いました。
国際問題や歴史に関心がある方は、ぜひ読んで欲しい一冊です。(もちろん関心が無くても読んで欲しいのですが…)簡単に答えの出ない問題と時間をかけて向き合うことは、学生時代だからこそできる事なのかもしれません。近頃は、ロシアやウクライナの戦争など、国家間の対立や摩擦が目立っているように思います。神の都を目指す者として、どのように「国家」の問題と向き合うべきなのか、ヒントを得られるかもしれません。
↑PDFで閲覧可能です
Comments