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恵みに生きる

更新日:8月22日


証#72 執筆担当:久多良木恵哉(関東地区担当主事)

 

私は九州の地で生まれ育ちました。大学在学中KGKに深く関わり、卒業後も病院で理学療法士として働きながら、九州地区KGKの卒業生会担当協力者の働きをさせていただいていました。九州を去る際、九州地区の卒業生達が中心となって壮行会を行なってくださり、そこで学生時代からお世話になった松尾献元主事から「送る言葉」を頂きました。


私の『恵哉』という名前は、Ⅱテモテ2:1〈ですから、私の子よ、キリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい〉に由来します。松尾元主事はそこから、「恵哉は恵みに生きる人だ。そしてこの恵みに生きることは、恵哉が生を受けた時からすでに両親や教会の祈りそのものだった」と語ってくださいました。今ある私は〈神の恵み〉によってかたどられたのだというのです。そして「これからも、今までのように、ただ神の恵みに身を置いてほしい。これからもキリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい。心配せずに行ってきなさい」と優しく、そして力強く私の背中を押して送り出してくださいました。

この送る言葉を聞き、改めて、私はただ神様の恵みによってここまで生かされ育てられてきたんだと胸が熱くなりました。幼い頃からサッカーに明け暮れていた私は、高校生まで教会にどっちつかずの生活を送っていました。信仰が縛りに思えて、神様を信じてはいるものの、そのアイデンティティに自信がありませんでした。しかし、大学時代にKGKと出会い、変えられました。毎週自ら喜んで教会に行くようになり、KGKを通して生涯の友に出会い、福音に生きる素晴らしさを学びました。


私が信仰につまずきそうになった時も、御言葉が語られる場所に身を置き続けられたこと、祈り合う友がずっと横に備えられてきたこと、これは紛れもなく神様の恵みです。この恵みを受け続けたKGKに、今度は〈主事〉として関わること、これもまた神様の大きな恵みであると確信しています。私は、主事としての働きに不安がないわけではありません。きっと働き始めて見えてくる難しさや葛藤も多くあるはずです。しかし、私のなすべきことは学生にいい自分を見せることでもなく、学生を自らの手で変えようとすることでもありません。私が神様に任せられていることは、受け取ってきた数え切れない恵みを学生達にお裾分けしながら、これからも私自身が神様の愛と恵みに溶かされ続け、それに応答し続けることなのだと思います。そして、福音に生きることが、いかに自由で安心で魅力的なのかを学生と共に味わいながら、この主事の働きを担っていきたいと思います。

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